大会長挨拶

第31回 福岡県臨床工学会 大会長
杉本 謄寿
(医療法人やまびこ会 福岡東ほばしらクリニック)

このたび、第31回福岡県臨床工学会の大会長を拝命いたしました。医療法人やまびこ会福岡東ほばしらクリニックの杉本謄寿です。歴史ある本大会に携わらせていただけることを身に余る光栄と存じ、心より感謝を申し上げます。

本大会は2024年6月22日、23日の2日間にわたり、九州大学病院百年講堂(福岡市東区)にて開催予定です。

大会テーマは「リ・クリエーション〜臨床工学技士の価値を再創造する〜」といたしました。

1987年に制定された臨床工学技士法により我々は日々業務を行っていますが、時と共に私たちの国家資格としての意味や価値も徐々に変化してきました。医師のタスクシフトや告示研修など、業務範囲の拡大が大きなトピックスとなっています。こういった時代の流れに合わせて、今一度臨床工学技士という資格の、医療に対する、社会に対する価値を、自分たちで作り上げるような機会になればという願いを込めたテーマです。

過去の福岡県臨床工学会のテーマを振り返りますと、技術や安全性の向上を追求してきた時期から、未来を模索する時期へとシフトしてきました。これから先、臨床工学技士の新たな活躍の場や、多様で革新的な働き方を生み出していくことを目指して、具体的な未来を描けるような価値の「再創造」という新たなステージを迎えていると感じています。

しかし、多様な働き方が生まれる一方で、私たちの未来に対する不安が増しているのも事実です。医療分野における日本の社会構造の変化は、我々にとって重要な課題です。臨床工学技士の存在と、今後「再創造」される価値が社会にどのように受け入れられるか、これらのテーマを会期中には様々な対話の中で考えていくことを目指しています。

ポスターデザインには「波」が描かれています。波には、日々同じように繰り返されるものというイメージの他に、「波に乗る」「変化の波」といった新しいことへの期待感を抱かせる言葉もあります。また、どんなに小さな波であっても、集まり重なることで大波となり、少しずつ確実に物事を変えていく力を持っていることは、私たち臨床工学技士の姿をそのまま映していると言えるのではないでしょうか。

「リ・クリエーション」には、聞きなじみのある「レクリエーション」=娯楽活動という意味もあります。みなさまと一緒に臨床工学技士の新たな価値を考えるきっかけとなるような、楽しい会を作っていけたら嬉しいです。


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